相続税ってどんな税?
「親が亡くなったら、必ず相続税がかかる?」に答えながら、相続税の全体の地図(5つのステップ)をつかむ回です。
📘 用語表と、この講座の読み方(クリックで開く)
| 財産の合計 | 本来の相続財産+みなし相続財産−非課税財産(評価額で) |
| 各人の課税価格 | 1人ずつ:取得した財産+精算課税の贈与−債務・葬式費用+加算する暦年贈与 |
| 課税価格の合計 | 全員の課税価格を足したもの |
| 課税遺産総額 | 課税価格の合計−基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数) |
| 相続税の総額 | 課税遺産総額を法定相続分で仮に分けて速算表を当て、足した家族全体の税額 |
| 算出税額 | 相続税の総額×各人の課税価格÷課税価格の合計 |
| 納付税額 | 算出税額に2割加算・税額控除をして、100円未満を切り捨てた各人が納める額 |
| 相続税法ラボ | 会話でハルカが「相続税法ラボで見ました」と言うのは、TaxJudgeの別の教材のことです。読んでいなくても、この講座だけで理解できます(リンク先は任意)。 |
| 所要時間 | 各回の「所要」は必修部分の目安です。「発展」と書いた部分や、体験・テストは時間に応じて取り組んでください。 |
🎧 動画で聞く相続税って必ずかかる?基礎控除の線と5つのステップ(6分)
第1回の先生とハルカの会話と図解を、そのまま講義動画にしました。相続税を納める人、基礎控除との比べ方、総額から申告までの5つのステップを扱います。クリックすると再生が始まります(YouTubeで開く)
はじめに:今日のゴール
相続税は「財産を取得した人」が納める税金で、課税価格 → 基礎控除 → 総額 → 各人へ → 10か月以内に申告の5つのステップで進む――この全体の地図を、自分の言葉で説明できるようになること。
※ 課税価格は、財産から非課税の分や債務・葬式費用を引くなどして出す金額です(第6回)。20万円は、配偶者の税額軽減などを差し引く前の「家族全体の相続税の総額」です(第7・8回)。
図で見る:相続税の全体の地図(5つのステップ)
STEP1〜5の会話をまとめて読む(文字だけ)
STEP 1 だれが納める?
相続税を納める人:配偶者・子A・子B(相続や遺贈で財産を取得した人)
STEP 2 課税価格
課税価格の合計 = 5,000万円
STEP 3 基礎控除と比べる
基礎控除 3,000万円+600万円×3人=4,800万円 / 超えた分(課税遺産総額)= 200万円 → 相続税の総額を計算する対象
STEP 4 総額→各人へ
相続税の総額 = 20万円(法定相続分で仮に分けて計算:第7回)→ 取得割合で各人へ(第8回)
STEP 5 申告・納付の期限
申告・納付の期限:相続の開始があったことを知った日の翌日から 10か月以内
なぜ「家族全体」で計算するの? ── 相続税の課税方式
相続税と贈与税の関係
| 基礎控除 | いちばん低い税率 | いちばん高い税率 | |
|---|---|---|---|
| 相続税 | 3,000万円+600万円×法定相続人の数 | 1,000万円以下の部分 10% | 6億円超の部分 55% |
| 贈与税(暦年課税) | 受贈者1人につき 年110万円 | 200万円以下の部分 10% | 3,000万円超の部分 55% (特例税率は4,500万円超) |
※ 相続時精算課税を選ぶと、別の計算になります(第11回)。亡くなった人から生前に受けた贈与のうち、一定の条件に該当するもの(相続や遺贈で財産を取得した人が受けた暦年課税の贈与など)は、相続税の計算に加算されます。加算の対象期間は段階的に最長7年へ延長されています(第10回)。
講座の共通事例:青山家
青山家に、これから起きること(講座の地図)
| 回 | 青山家で見ること |
|---|---|
| 第2・3回 | 誰が相続人か、遺言で孫に遺贈・遺産分割 |
| 第4・5回 | 死亡保険金(みなし相続財産)、自宅・株式の評価 |
| 第6・7回 | 課税価格の合計 1億4,790万円、相続税の総額 1,448万2,500円 |
| 第8・9回 | 4人への割り振り・2割加算・配偶者の税額軽減、自宅の小規模宅地等の特例 |
| 第10・11回 | 長女への暦年贈与(生前贈与加算)、長男の相続時精算課税 |
| 第12・13回 | 申告期限 令和10年4月10日(亡くなった日に知った場合)、総合演習 |
※ 金額は相続税評価額。令和8年1月1日現在の法令で計算し、相続開始(令和9年6月)までに改正がないものとしています。
やってみよう:基礎控除を超える?
※ 子がいる場合の目安です。実際の申告では、相続人の数え方(養子の数の上限など)や財産の評価に細かいルールがあります。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、申告が適用要件となる特例を使う場合は、納付税額が0円でも申告が必要になることがあります。
よくある間違い
① 亡くなった人が払う税金
相続税を納めるのは、相続や遺贈で財産を取得した人です。亡くなった人の所得税は、別の手続(準確定申告。必要な場合)です。② 財産があれば必ずかかる
課税価格の合計が基礎控除以下なら、相続税はかかりません(原則として申告も不要)。基礎控除を超える場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、申告が適用要件となる特例を使う場合は、納付税額が0円でも申告が必要になることがあります。③ 生前に贈与すれば逃げられる
贈与には贈与税がかかり、一定の生前贈与は相続税の計算に加算されます(対象期間は段階的に最長7年へ延長中。第10回)。ミニテスト(3問)
おわりに ── 今日のふりかえり
- 相続税を納めるのは、相続や遺贈で財産を取得した人。
- 課税価格(財産の足し引き)を出し、基礎控除と比べる。以下なら相続税はかからない。
- 超えたら、家族全体の相続税の総額を出し、取得割合で各人に配る。
- 申告と納付は、知った日の翌日から10か月以内。
- 小規模宅地等の特例などを使って基礎控除以下になる場合は、税額が0円でも申告が必要(第9回)。
参照条文・出典
参照条文:相続税法1条の3(納税義務者)、11条・11条の2(相続税の課税・課税価格)、15条(遺産に係る基礎控除)、16条(相続税の総額)、17条(各人の相続税額)、27条(相続税の申告書)
参考資料:税務大学校『相続税法(基礎編)令和8年度版』第1章(pp.1〜5)、第3章第2節(p.15)、第6章第1節(p.74)(講本PDF)/国税庁タックスアンサー No.4152 相続税の計算・No.4155 相続税の税率
本教材は、上記講本を参考に、TaxJudgeが独自に構成・解説したものです。相続税と贈与税の比較表は講本 p.4 の表をもとにTaxJudgeが編集・加工しています(公共データ利用規約(第1.0版)に基づく加工)。出典:国税庁(税務大学校)「相続税法(基礎編)令和8年度版」
本教材は国税庁による監修・保証を受けたものではありません。令和8年1月1日現在の法令に基づく学習用の解説・試算であり、個別の申告には税理士等にご確認ください。